 |
|
 |
 |
 |
 |
 |
 |
|
 |
 |
その2. 「ホンモノ」のDIY?
Tomorow・無我 西海岸ツアー サポート:Harto(ex.Los Crudos), Street Thrash他
7/22/04 Centro Cultural De Mexico, Santa Ana, CA
トモカズさんの果てしないネタ帳が気になる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか?6月末に日本に一時帰国してたのですが、名古屋のアンサーレコードに立ち寄った際、このツアーのことを店長中村さんに教えてもらい、チェックしてたのですが、気がついたら前日。あわてて行ってきました。
場所は「メキシカン・カルチュラル・センター」というところ(公民館です)ともあって、近隣がかなりメキシカンな雰囲気。ライブ会場に着くと、開始時間を30分くらい過ぎているのにセンターの裏手にある駐車スペースで待たされる。どうやらまだ準備中のようで。ツアー部隊を発見し、アンサー中村さんとDevour
Recこうけつくんと雑談。
「こんなとこで会うとはね〜」とか言いつつ、「南カリフォルニアが今池化してるよ」なんていって、その一角の名古屋人密度の濃さに談笑。さらにMiniac
High Senseでベースを弾いていた白井さんも偶然遊びに来ていて驚く。この日初めて会ったのだけどNot Rebound、Cigaretteman、Navel、Nice
View、Out of Touch、今池、やぶや、ハック、大丸など自分にとって名古屋を思い起こさせる固有名詞連発で里心がつきかかる(笑)。自分はTomorrow、無我のメンバーさんとか直接話すのは初めてだったので、紹介してもらいつつ、それまでのツアーや名古屋の話などをする。
時間をつぶしていると、マーチンから「センターの中でごはん食べれるよ〜」という呼び声がかかり、みんなそそくさと食料ゲットのためにセンターの中へ。中には後の物販スペースにマーチンお手製の料理が並ぶ。パスタとトルティーアとサラダとか、ヴィーガンにも配慮した料理で、「こっからDIY始まってるんすか(笑)」なんて思いつつ、食べ物をほうばる。うめ〜。食料がなくなってくると、後片付けをはじめ、さらに待つこと20分あまり。
ようやく1バンド目がスタート。ほんとに近所の公民館のようなスペースなので音はそんなによくはない。ローカルと思われるバンドが終わると会場の中はムシムシと暑くなってくる(ここまでは程よいあったまり具合だったんですが…)。
センターへの入り口が道路に面した側にあるのだけど、ライブ中やライブの間そこを開けちゃうと音が漏れたりたむろしたりでおまわりさんから文句が来ちゃうので、そこのドアは締め切りに。このせいでのちのち会場内が異様に暑くなる。ライブがオールエイジということで、酒は中には持ち込めない。みんな外の駐車場では飲んだりしても(ハッパすってる人もいたような・・・)会場には持ち込まないし、会場表の道路にたむろしていなくて関心。お客さんは年季はいったパンクスから、中学生くらいの女の子とか、けっこう幅広い。
すごくマッタリとした雰囲気を味わいつつ、外で話をしていると、2バンド目の演奏が終了している。2バンド目のバンド(名前忘れた・・)は特に短くって「あ、はじまったね」とか話してる間に終わってた。曲が短い上に2、3曲しかやらなかったようで。見た人によるとかなりかっこよかったらしい。
3バンド目はStreet Thrash。名前のとおりスラッシュ、スラッシュなバンドで、ビートは早くないけど疾走感がありまくり。それまでのバンドより格段にライブなれしている感じで、一気に会場もヒートアップ(ちなみにベーシストが体型といい、ベースの弾き方といい、stiffeenのあびこ社長そっくりで、個人的に受けました)。すごくキャッチーでライブも◎。このバンドが終わったころから、会場の暑さが尋常じゃなくなってくる。もう立っているだけで汗がジワジワ。
4バンド目が元Los Crudos, Limp Wristのマーチンの新バンド、Hart(アルト)。ライブ外ではほんとに温厚で明るいナイスガイのマーチン。いったんマイクを握るとエナジーがほどばしりまくり。なぜか片手にカメラをもちつつ、客席にシャッターを切りながらのマーチンでしたが、これもパフォーマンスの一部なんでしょうか(お客がバンドを見るってだけじゃなく、客も見られてるって事を暗示してのかな、とか考えてみたり。深読み!?)?
マーチンはこの日のライブをセッティングしていることもあって、MCにも気合が入る。
「ヴェニュー(ライブハウス)で日本からツアー2バンド呼んで$20ライブやって、これがDIYパンクシーンだ、なんていってるやつの話を聞いたことがあるけど、そんなのクソだね。このライブは日本から2バンド来てオールエイジで$6ドル。ステージもない。みんなイコールだよ。もし俺が言ってることがクソだと思うなら、自分で自分のバンドをやればいい、自分のレーベルをやればいい、自分でショウをセットアップすればいい(Do
your fucking own band, start your fuking label, set up your
fucking own show!)!これがほんものさ。これがほんとにDIYなんだよ。生活とつながってるんだ。オレは仕事をつづけながらバンドをやってる。ずっとそうしてきたし、それがなけりゃおれらの音楽もない。生活の一部なんだ!」ってヒートアップ。
まだライブを数回しかしてないバンドなので、まとまりやこなれた感じはないものの、マーチンがぐいぐい引っ張ってその場の空気感を変えていくエネルギッシュなライブだったな。

そして、無我のライブに突入。始まったとたん、お客さんノリノリ。あまりの反応にメンバーが驚いていたくらいでした。会場中ごろではモッシュが起こり、みんなぐるぐる回ってる。ダイブする人もいる。でも、あとで話してたんだけど、みんなこなれてて自然なんです。すごくマッタリしている(笑)。Tomorrowダイスケさんは「日本だとなんか、モッシュとかすごくポーズというか、人の目気にしたような、とってつけた感があるなぁ」ってつぶやいてたのですが、確かに、なんだかナチュラル。20〜30年の歴史の積み重ねでしょうか?過度に暴力的じゃないし、女の子もみんな楽しんでる感じで。モッシュ・サークルをなんかニヤニヤ笑いながら、うつむき加減にトボトボ歩いてるだけの人とかいたし。モッシュピットの中も「ちょっと一休み〜」みたいなボーっと突っ立ってるだけのモヒカンの女の子とかいたりして。
しかし、暑い。みんな汗だらだら。無我のベースこうけつくんは「汗が滝のように流れるとは、まさにこのことだよ」なんてライブ後に言ってましたが、尋常じゃないくらい水滴が顔から流れ落ち、素で倒れないか心配でした。
最後はアンコールもかかり、こうけつくん、超しんどそうにもかかわらず、一曲演奏し、無事終了。ライブが終わるとみんな一斉に外にでて(やっぱり暑いんだ…)クールダウン。

待つことしばらく、そろそろTomorrowなので会場の中に入ると・・・暑い。始まる前から酸欠気味な感じでライブが始まると、みんな待ってましたよ、とばかりに大盛り上がり。ほんとにひさびさに見たTomorrowだったけど、かっけ〜。ダイスケさんのボーカルとアクションがライブをグイグイ引っ張りって、同時にお客さんの盛り上がりがっぷり横乙で相乗効果でライブがヒートアップ。いやあ、もう誰もとめらんない。
曲の合間にダイスケさん、自分じゃ「英語話せない〜」とか言ってたけど、言う一言一言にお客さんが盛り上がる盛り上がる(笑)。ここまでくると、人間力ですね。ポロっと「ファッキン・ブッシュ」って言っただけですげえ歓声。やっぱりパンクスはブッシュが嫌いなようで(パンクスでなくてもか!?)。なにげに横にいたあんちゃん達がダイスケさんの腰にぶら下げたキャップに反応したのでよく見たら、Flash
Gordonのキャップで、「やばい、めちゃめちゃほしい〜」って。名古屋ハードコア大人気ですね。
そして、いよいよ宴もたけなわになってきたところで、ハプニング。記憶がもうはやふやなんだけど、アンコールに入ってからだったかな?電源が落ちてマイクの音が出なくなっちゃった。ここで、普通なら若干もりさがるところなんだろうけど、ダイスケさん、マイクをサクッと手放し、「リッスン、リッスン。ディス イズ ア ソング フロム マイ ハ〜ト!!」って、マイクとおさずに歌いだす!んでもって客席になだれ込み、モッシュピットの真ん中でこぶしをあげたり、元気玉ポーズで仁王立ち。その周りをみんなグルグルとモッシュしまくりで。壮絶。モーゼの十戒状態。

ん、でもなんか・・・どこかで見た光景だな・・・、あ〜、エロイムエッサイム、悪魔くんだ!なんて思ってる間に、ダイスケさんが12使徒を召還しつつ、ライブ終了。 あとで、「悪魔くん状態でしたね」って言ったら、「いや、自分では流行にのってハリポタのつもりだったんだけどね〜、テヘヘ(笑)」なんてお茶目なことを言っていたナイスガイのダイスケさんでした。
ライブ後、みんな談笑しつつ、レコードとかTシャツのトレードしたりして、カウンターからは「オーガニック・サラダ25セントだよ〜」って声が聞こえてきたり、終始マッタリムード。ツアーバンドが今日とまるとこどうしようねぇ・・・とか言ってたらマーチンが速攻で「うちにきなよ」って声をかけて、ほんとに世話好きで面倒みのいいマーチンなのです。アンサー中村さんが「何であんたはそんなにいい人なんだ〜?」って聞いたら「うーん、自分ではやなやつになろうとしてるんだけど、残念ながらみんなにいい人って思われちゃうんだよね〜(笑)」なんて茶目っ気たっぷりに答えるマーチン。いいやつです、ほんとに。
ツアー全体の様子は中村さんに聞くところによると、全般として、すごくしっかりとサポートしてもらったようです。ライブハウスじゃない場所でも、すごくお客さんの集まりがよくて、ホスピタリティがあるそうで、横の連帯がすごいらしい。完全にコミュニティ化しているみたいで、生活の一部としてみんな関わりを持っている感があるそう。
いわゆる「インディ」として有名なSub Pop(Epitaphもそうですね。まあ日本でのEpitaphの流通がどこかを考えても当然か)でさえ、49%がメジャー資本である今日この頃。最近じゃ"Commercial
Alternative"なんてジャンルまで存在する有様で・・・。音楽産業に批判的な立場をとる人たちにとって、そういう横の連帯は産業音楽に対する防衛策として、必須なのだろうか、なんて思ったりします。
ただ、自分はこれを「本場の」とか「ホンモノの」DIYだ〜みたいに祭りたてあげたくないし、マーチンのような人をDIY実践者の神としてあがめたりしたくはないんすね(なんか前回のコラムを自分で読み直していて、自分のイアン・マッケイの書き方がそんな風ですごくいやだった・・・)。
それに、お約束のようにメジャーを批判することもしたくはないし。仕事しながらバンドやって、音楽で食ってる人をやたら批判したがる自称DIYさん(自分らだって音楽で食おうと思えば食えるけど、「あえて」そうしてないみたいな自己過大評価さん)には萎えるし。音楽で食ってるやつは奴隷だってのが彼らの主張らしいけど、やりたくもない仕事をやってる時点で十分奴隷で搾取されてるのに。それよりも、コンビニのバイトよりも保証がないし、リスクもあるけど、音楽でやってく人(自営レコード屋さんとか含めて)とはすごいと思うし、町工場経営するおっさんの方がよっぽどDIYで素朴に尊敬するな。でも、だからって、「プロでやる=本気」とか、「音楽で食ってる=いい音楽」とは思わないし。なんと言うか、その人なりの生活感があればいいんじゃないかなと。
自分は「ホンモノ」なんてどこにもないと思っている人なので、マーチンが「これがほんもののDIY」ってMCで言った時にすごく引っかかってました。だけど、彼は「これがホンモノだ」っていえるだけのことを地道に積み上げてきているんだなあと。彼は彼のやり方で、絶えず自分と音楽とのつながり(これが「生活感」みたいなものかな?)を常に考えてきたからこそあの言葉が言えるわけで。たぶんあの言葉の裏にはそれまでの行動の積み重ねがあるんだろうな。
行動を起こす時は結果の保証はないわけで、それでも行動を起こす時には結局自分を信じきるしかない。なんかマージャンの「これ当るの?当るの?」とか思いつつ、牌を切るしかないときの心境というか(稚拙な例えでマーチンに悪いけど…)。インタビューとかでも読めるけど、マーチンは奇麗ごとの世界じゃなくて、いつもいろんなバンドやマーチン個人に対する中傷や誹謗と戦い続けて、そんな中で活動をし続けてきたからこそあの説得力が生まれるのかなと。
そんなこと考えてると、すごく自分のやってきたことが中途半端にみえて、今さらまあ、それが自分のやってきたことだから全部自分の責任なんですが、自分のヴィジョンのなさに鬱スパイラル。生活感のある人やバンドに接するといつもそれまでの自分について考えさせられます。このライブ記も書きながらすごく煮詰まってたんだけど、Answerレコードの中村さんのツアー記を読んで、なんとか不甲斐ないなりに完成させられました。ほんとありがとです。
P.S. これをちょうど書いてる時にTomorrowが解散するというニュースが飛び込んできました。あんな最高なライブを見たあとだけに…、残念。長い活動お疲れ様でした&今後のメンバーの方の活動に期待しつつ・・・。
「キレ〜にまとめてんじゃね〜よ!」ってツッコミが飛んできそうですが、今日はこの辺で。では、股!
稲垣智文 ex. The Links/ blue blue blue
|
 |
 |
|
 |
 |
| |
|
 |